ドンキホーテを支える大原孝治の経営思想

北は北海道から南は沖縄まで、日本の各都市で大型小売店舗を展開するドンキホーテの成功の裏側には、代表である大原孝治の経営姿勢や思想があります。その根幹にあるものは「我々が何を売りたいのか」ではなく「顧客が何を買いたいのか」に集中して店舗づくりを進めるという「主語を変える」考え方があります。大原孝治が全国の店舗を訪れた際には、各店舗視察の所要時間3時間のうちで店内に充てる時間は僅か5分しかなく、あとは全て周辺地域にある小売店などを視察することとしています。なぜなら各店舗では毎日、近隣の小売店の販売価格をチェックしていますが、代表自らも地域を巡ることによって、小売店の品揃えや、パチンコ店の客層など、店舗がある地域の人々の暮らしぶりを確認しているのです。そして、こうした地域の人々が「何を買いたいのか」を店舗に反映させ、微調整を繰り返しているのです。
現在のドンキホーテホールディングスの店舗展開は主に、デパートの不振を背景とした居抜き店舗での開業によるものです。大原孝治がいう「主語を変える」ことが出来ていなかった大型商業施設が閉店を余儀なくされた場所で、徹底的に地域を研究しながら店舗づくりを進めるドンキホーテが営業を行う形です。

また、これまでは実店舗のみとしていた事業カテゴリをECサイトにまで拡大させるとの意向も示しており、今後はオンライン上でも「顧客が何を買いたいのか」を色濃く反映した店舗づくりが行われることとなります。